研究しよう、そして発見を仲間と共有しよう!

IADP第23回年次大会大会長 能幸夫

IADPの会員のみなさん、またIADP第23回年次大会への参加を考えているみなさん、IADP年次大会は、お互いの顔が見え、ひとりひとりが主体的に討論に加わり、日ごろの自分の臨床を振り返り、洗い直し、研鑽する一年に一回の集まりです。

この機会にしっかり研究しましょう、そしてそれを仲間とともに討論の場に持ち寄りましょう。

力動的心理療法の研究は日常の臨床における探求の試みに匹敵する冒険の試みです。もう少し、突っ込んだ言い方をすれば、日常の臨床は実は研究そのものです。仮説を立て、検証し、仮説を修正し、また検証し、それが日常の臨床の営みです。これはまさに未知の世界への冒険であり、瞬間、瞬間に変化する現象に介入していくことです。

あらためていわゆる研究は、そのような日常の臨床を振り返り、そして臨床実践という冒険に対する装備を整えなおすよい機会です。われわれは研究を発表とするときが最も文献を読み、事例や心理的な現象に対する思いをめぐらし、をしているのではないでしょうか。私もそうです。こんなふうにいつも以上にいろいろなことを検討すると、そこに新たな発見があるはずです。すでに誰かに言われていたことでも、それが自分の実感となって体験された、その体験を吟味すればそこに発見があります。

初心の若い人には若い人なりの発見があり、Freudも言っているように少し臨床ができるようになったところ遭遇する困難に詰まっている人にもそこでの発見があり、ベテランにもベテランなりの発見があるはずです。そして、その一つ一つの発見はすべてお互いにとって共有する価値のあるものです。

今年は、例年よりも早くこの時期に、それでも遅いかもしれないという危惧がありつつ、研究発表、事例報告、事例研究、事例スーパーヴィジョンの演題の大募集をかけました。今からしっかり準備をし、研究査読をされる先生方とやり取りし、年次大会までに練り上げた研究を発表していきましょう。研究することの面白さをともに体験していきましょう。

 

*なお、今年度の学会主催の特別研修プログラムは事例研究法をテーマにした「事例研究の始め方」です(チラシはこちらからご覧いただけます)。事例研究法をしっかり身につけていくことで、日ごろの臨床の腕も上がるはずです。あわせてご参加を検討してみてください。

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